鉄道車両や航空機のメンテ、生産性向上へ欠かせない“予知”|ニュースイッチ
- nakamura20152
- 2018年8月19日
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引用元記事:ニュースイッチ

鉄道車両や船舶、航空機における将来の保全方式として状態基準保全(CBM)が注目を集めている。各種機器に取り付けたセンサー類や記録・通信装置を使って稼働状態を監視し、故障の予兆を見つけて進行を管理しながら機器の寿命を予測する。安全に影響がない状態で使用を継続しつつ、適切なタイミングで修理や交換の計画を立案、実行する。作業効率や人員、コストを最適化するメンテナンス手法として期待は大きい。 現在は故障が発生してから修理する事後保全(BM)と、定期点検で時間や距離に応じて部品を交換する時間基準保全(TBM)が主流。TBMは、設計条件や稼働実績などを元に、健全性を保てる期間として、あらかじめ機器ごとに決められた周期で、検査や修理を実施する手法だ。 TBMでは機器が健全な状態にあったとしても、規定に従うために、検査・修理の時間や費用が定期的に発生する。大量生産する装置や機械も、実際はそれぞれの出来、不出来に違いが生じる。機械同士には“相性”もあって、故障の兆しがない限りは、できるだけ長く使い続けたいのが事業者の本音だ。 一方のCBMでは、稼働する機器を常時状態監視することで、変化点から故障の兆候を見つける。故障や劣化の進展を予測して、この先、健全性を保てる期間「寿命」を算出する。これを元に検査や交換の最適なタイミングを検討していく。 理論上は、TBMよりも検査や交換周期を長期化できる。事前に故障箇所を特定するため、効率的な作業も実現可能。生産性向上とともに省人化が図れ、製造から引退までの総費用であるライフサイクルコスト(LCC)も軽減できるはずだ。 とはいえ、CBMを実現するには高度で複合的な技術が必要だ。製造・修理時の履歴管理、各種センサーによる機器稼働状況の収集と情報通信技術(ICT)、得られるビッグデータ(大量データ)を分析する組織体制、もしくは分析を自動化する人工知能(AI)など。最新技術の活用でCBMは進化する。
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